プリウス物語
日曜日。...............今日ほど日曜日を恋しく思った日はない。
ゴルフの誘いも断った。
いつもなら遅くまで寝ているはずの私が朝からちゃんと起きて待っている。
今日、我が家に新しい車がやって来るからだ。
「パパ、今日、新しい車が家に来るんでしょう?」
最近、車に興味を持ち始めている息子が私に聞いてくる。
そういえば、私が車に興味を持ち始めたのも息子と同じ6歳くらいだったように思う。
息子は、前のとどこが違うの?としきりに聞いてくる。
私も小さい頃、よく父親に聞いたものだ。
でも、結局何も教えてもらった記憶はなく、悲しい思いをしたのを憶えている。
息子にはそんな思いはさせまい。
キチンと教えてあげなければ、と思わず気合いが入る。
「今日、家に来る車はね、地球にとっても優しい車なんだよ」
「地球に?」
「そう、画期的なハイブリッドシステムによって燃費が…」
「ハイブリッドってな〜にぃ?」
「それはな、ガソリンと電気モーターが組合わさってだね…」
「どーしてそれが地球に優しいの?」
「え!?わからんやつだな、だからね、オゾン層がだね…」
すると、
「あなた、そんな事言ったってまだわかんないわよ」
と、キッチンから妻が呆れた声で言った。
「う〜む、確かに」
私が息子にどう説明したらいいのか真剣に悩んでいると、家のインターホンが鳴るのが聞こえた。
「こんにちはぁ、埼玉トヨタですが」
来た!
私はなるべく冷静を装い、玄関に向かう。
ドアを開けたその向こうには新しいパートナー、プリウスが待っていた。
息子への説明は後にしよう。
Written by suzuki specialU